AGE OF REDISCOVERY

——それは、MAWSIM が掲げるフラッグ。
それをはためかせるのは、驚きを運ぶ風。
香りは、懐かしさをまとい、新しい航海へ。

熱帯のジン? 果たして美味いか

価値観の逆転と再発見を通じて、新鮮な驚きを届けたい。
それが “AGE OF REDISCOVERY” に込められた想いです。

そもそもジンは、寒い国のスピリッツです。
16世紀にオランダで生まれ、17世紀のイギリスで発展したこの酒は、英蘭の船乗りたちによってあらゆる寄港地へと伝播し、今や「世界四大スピリッツ」のひとつに数えられています。
さらに近年のクラフトジン・ブームによって、個性豊かな銘柄がキラ星のごとく登場しましたが、その舞台の中心は、やはり寒冷な地域です。

——暑い国でつくったジンは、果たして美味いのか?

実は、世界に存在する主要なスパイスの約95%が、熱帯アジア原産といわれています。
ジンに欠かせないボタニカルの多くも、いまなお熱帯アジアに依存しています。

カンボジアでジンをつくる最大のアドバンテージ——
それは、安くて新鮮なボタニカルが、通年で手に入るという事実。
つまりそれらを、“生”のまま、惜しみなく使うことができるのです。

乾燥素材では決して再現できない、鮮やかなアロマと、みずみずしい余韻。
熱帯のジン——驚くべきことに、それは自然な帰結だったのです。

素材 │ BOTANICALS

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    100% オーガニック

    ジンの香りづけに欠かせないフルーツやスパイスは、皮こそが命。
    だから MAWSIM に使うボタニカルは、すべて有機農法で育てられたもの。
    安心は、楽しむための大切な要素です。

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    フェア&ダイレクトな胡椒との関係

    香り高く、ボルドーワインにも例えられるカンボジア産の胡椒。
    生はカンポット産、ドライはモンドルキリ産。
    いつも新鮮な特級品を、優先的に仕入れられる体制を整えています。

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    仕入れは目利き

    胡椒以外のボタニカルは、日々マーケットへ。
    蒸溜スタッフが自ら足を運び、目で見て手で触って、最良のものを選び抜きます。
    生の素材にこだわるからこそ、その瞬間のコンディションを見極めます。

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    手仕事による丁寧な前処理

    包丁、ピーラー、鉈、すり鉢……そして手指。
    生鮮素材ならではの風味を損なわないために、一切の機械処理は行っていません。
    ひとつひとつ異なる素材の声に耳を澄ませながら、最適なアプローチを施します。

蒸溜 │ DISTILLATION

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    マイクロ蒸溜器による繊細なレシピコントロール

    乾燥ではなく、“生”のボタニカルをそのまま用いる——それが MAWSIM GIN の最大の特徴です。けれどもそれゆえに、レシピコントロールはシビア。生素材に含まれる水分量は均一ではなく、計量だけに頼った調合では、風味の再現性を保てないからです。
    MAWSIM 蒸溜所は、200L と 60L の蒸溜器を備えた、極小規模の蒸溜所。量産性を犠牲にする代わりに、仕込みごとの違いに丁寧に向き合い、繊細なレシピ調整を可能にしています。

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    厳選されたスピリッツカット

    蒸溜工程においては、どこで *ハート をカットするか——その見極めが重要です。抽出されるフレーバーのピークタイムがボタニカルごとに異なるうえ、生鮮素材の *テール にはエグみが多く含まれるからです。
    MAWSIM では、このカットを通常よりも早く行うため、得られる原液は少なく、生産性は低下します。
    それでも、長く余韻の続く、フレッシュでリッチな芳香を引き出すために、決して妥協はしません。

  • テールの再使用による強化蒸溜のイメージ画像

    テールの再使用による強化蒸溜

    MAWSIM では、本来廃棄されるはずの *テール を、次の蒸溜のベース・スピリッツに加えています。
    これにより、ワンショット蒸溜にありがちな風味のブレを最小限に抑え、品質の連続性を保っています。この工程は、廃液と原料消費の削減にもつながっています。

    ヘッド(Heads):前溜。別名フォアショット。
    ハート(Hearts):製品の中心となる蒸溜液。別名スピリッツカット。
    テール(Tails):後溜。別名フェイント。アルコール度数が低下した蒸溜液。

環境 │ GREEN

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    原料のサステイナブルな活用

    MAWSIM GIN のために開発した2種のシロップは、ボタニカルの未利用部位(オレンジやライムの果肉)や余剰分から生まれました。また、ジンとして利用しない蒸溜液(ヘッドとテール)を消毒液として再活用したり、蒸溜後のボタニカル(胡椒やジュニパーベリー)をバーフードとして蘇らせたりするなど、高品質な商品開発とサステナビリティ配慮の融合を実現しています。プノンペンの MAWSIM Bar では、カルダモンの鞘すら無駄にせず、ネグローニを燻すチップとして活用しています。

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    再利用をテーマとしたボトルデザイン

    ガラス原料としても再資源化が難しい、本来なら廃棄される色替えボトルを採用しています。鮮やかなグリーンから深いブルーへと階調するその色合いは、一つとして同じものがなく、カラフェや花瓶としての再利用を前提に品質管理されています。
    かつて遠い異国からもたらされたジンボトルが、やがて茶人に見出され、「花入」として大切に受け継がれてきた——そんな歴史が、日本にはあります。MAWSIM のボトルにも、そんな再利用の美しさと、時間を超越する価値を託しています。

背景 │ STORY

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    すべては水草からはじまった

    東南アジア最大の湖、カンボジアのトンレサップ湖では、世界最悪の害草と呼ばれるホテイアオイが大繁殖しています。日本では金魚鉢に浮かべる水草としてお馴染みのこの植物は、実は南米原産で、7ヶ月で200万倍に増殖し、世界中の熱帯〜温帯地域に帰化している侵略的外来種です。これをバイオエタノール原料とすることで防除し、トンレサップ湖の生物多様性と水質を回復するとともに、食料と競合しないエネルギーの可能性を探ろうという挑戦が、MAWSIM の原点です。

    MAWSIM を運営する株式会社サンウエスパは、岐阜の地で半世紀以上にわたり古紙回収業を営み、近年では難再生古紙からバイオエタノールを製造する実証事業にも取り組みました。同社のバイオエタノールは、植物の細胞壁を構成するセルロースを糖化・醗酵するもので、従来の穀物由来のそれと異なり、食糧と競合しません。そればかりか、廃棄物を含むあらゆる植物を原料とすることができます。もちろん、それが「ホテイアオイ」であっても。

    無尽蔵に増える害草から、カーボンニュートラルなエネルギーを造る——これがまさかジンになるとは思いもよらず。

  • 燃やすべきか、飲むべきかのイメージ画像

    燃やすべきか、飲むべきか

    しかし、このセルロース系バイオエタノールの究極の課題はすぐに顕在化しました。それは、企業単体では収益化が困難ということです。

    そこで同社は、ビジネスモデルを新たにデザインすることで、解決を図ろうと考えました。すなわち、熱帯の厄介者ホテイアオイからバイオエタノールを製造し、それを水上生活者のボート燃料とするなど、地域分散型エネルギーが普及する未来を展望しつつ、ここへの挑戦を持続可能にするための収益化事業を模索したのです。——それが、エタノールの飲料利用、すなわちジンのベーススピリッツとなったのです。

    そもそも飲料用アルコールとは、エタノールのことです。そして米やブドウなどのバイオマスを原料としているのですから、歴史的に存在したすべての「酒」は、バイオエタノールということになります。また実は、エタノールを飲んだ時の化学反応式は、燃やした時のそれとまったく同じなのです。であれば、酔っ払って動けなくなるほうが、むしろエコなんじゃなかろうか?——MAWSIM とは、そんな一見ふざけた問いに対する、真剣なアンサーなのです。